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続き(4) by パユ吉 [ 2018/10/31(Wed) 23:27:19 ]
【2幕】
 全体的に難解な場面が続くので、丁寧な説明が必要かもしれません。一つのところで「?」がついてしまうと、それが尾を引いて、「?」の連続になりかねないのです。

■8場
 「ルイーザの決意」という言葉が出てきたのですが、この意味がつかみきれなかった。決意というよりは、企み(いい意味での)という意味合いなのかと解釈しておりますが、別な意味があったのかも。
 タチアナの「工作」「金の卵」。言葉の裏を読んでいかないといけない内容で、面白い表現だと思った。計算高い彼女の性格が読み解けてくるところ。タチアナのセリフは適度な間があるため、その間の時間に怖さが増してくる。そのテンポを「私は人ではない」「あんたを連れて行く」まで引っ張って欲しかった。最高に怖い言葉なんだから。
 「リベラが死ぬところを見るだろう」 さて、どうしてここでPOUMの代表がいきなり殺されることになるのか。対立関係にあることはわかるが、とらえられているわけでもなく、裁判を受けたわけでもなく、いきなり粛正に至るのは少し無理がありそう。もちろん誘き出しの言葉なのだろうが、観客に疑問符が付くくらいだから、当人のベルタにも疑問符がついてもよさそう。PSUCにとって都合の悪いことを列挙した上、リベラを消す正当な理由を挙げていかないといけないところではなかろうか。あと、このセリフを言うときは、速度はうんと落としたほうがいい。説得力も含めて、聞こえ方が全然違ってくるから。(特に脅すとき、威圧をかけたいとき)
 「サンジョルディ」 3人の巫女さんの歌声がきれいでした。
 「許して、こうするしかなかったの」 さわこさんの迫真演技はいいのですが、この言葉はいったい誰に向けられたものだったのか? リベラに向けられてものだとしたら、つじつまが合わなくならないか? (PSUCから命を狙われているのに、わざわざ連れてくることもないのでは、と思ってしまうのです。)
 「貸しにしておいてやる」 さて、どの行為が誰に対して貸しを作ったことになっているのか? この辺から私の思考回路はフル回転状態になっている。

■9場
 マークの「赤狩りで」。1幕冒頭からの伏線がここに活かされています。アメリカ人とソ連人の2人の間に関係性があったことが明らかにされ、面白い展開になってきています。それはおいといて、「赤狩り」の意味がわかる人は、どのくらいいるだろうか? 中高生ではわからないかもしれない。

■10場
 PSUC対POUMの取引ですが。録音テープと引き替えにベルタを取り返しに行ったと思いましたが、ついでキャサリンが差し出され・・・ 取引が終わっても、キャサリンとベルタがその場に残された。さて、これはいったいどういう取引だったのか? 単にテープを渡しただけの話しになってしまっている。
 「こうなるとジョルジュも手を出せまい」 この意味わからん。ジョルジュに重要な役目があるようですが、それがたどりきれない。写真報道の怖さをどこかで説明していたかな?

■11場
 サンジョルディ祭:ジョンとニックの司会進行。掛け合いは名演技ですな。
 ベルタの救出のとき、リリアンが上手去り際に後ろ(下手方向)に送り目を送っているんです。細かな所作だなと思いました。このときは、「ベルタをPOUMに引き渡してやった」と解釈してしまったのですが、どうも後の内容からすると、「不本意にも奪還された」ということらしいのです。となると、あの目線送りの意味はいったいなんだったのか。 逃げたと気づいたのか、なにか不審に思ったのか。
 キャサリンの奪還過程もわからん。「放送局を手薄にした」「裏口の鍵」から推定はできますが、少し唐突すぎやしませんか?

■12場
 「あなたを危険には」「だめだよ」 思いやりの交錯するやりとりでした。
 「一つの心が2つに割れる」 輪唱が切迫感を煽っている歌でした。「一つ」には複数意味が込められているのが、ロンドの中に込められております。
続き(5) by パユ吉 [ 2018/10/31(Wed) 23:28:17 ]
■13場
 タリックが仲間に復帰してきます。ジョンとニックの許し方もいい。寛容さがあり、そして陽気に和解する。
 リベラとベルタの和解も○。「あれだけひどいことをしたのに」 ただ、8場の状況がひどいことだったかと振り返るとどうだっただろうか。8場の印象がここに絡んできてくれないのが難。ということは、8場を徹底的にひどい状態にしておくと、この言葉が活きてくる。
 アギラールの謝罪:「誇り高いアギラールが」の言葉は強烈です。対してのヴィセント。アギラールに近づいていく。「こいつのおかげで仲間が大勢殺された」 強烈な恨みを持っているはずなので、この場面は緊張感を高めて欲しい。アギラールを殺す勢いが欲しいところ。初めから許すつもりで寄ってはもったいない。
 この後の4組のペアの愛情確認はほのぼの感があります。

 場を控えておかなかったのですが、タリックがPOUMを離脱するシーンで、離脱にいたるきっかけがどうしても思い出せなくて。ちょっとした考え方の行き違いだったと思うのですが、なんだったっけ?

 2幕は筋書きがわかりにくい展開が続くので、わかりやすくして欲しい。
 そしてもう1つ。言葉は悪いが、「人間の尊厳」の意味もつかみにくい。もしかして、演じている方も、確かな理解はできていないかもしれない。

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【その他】

 愛情の関係線がたくさん引けます。
 敵対関係にある人物間にも、少なくない伏線が隠されているので、何気ないシーンでも留意して見ていないといけませんな。伏線の仕掛け元を追うと、おもしろく見られます。
 この演目。「主人公」という言葉はないかもしれません。群像全体で見るもののようで、一人一人の役や、ペアがその場その場の主人公になってます。10年間のアラムニー演目の中では、この作り方はなかったと思います。事前レクチャー編で、武正先生が「宝塚では・・・」と話された意味を考え詰めると、ふむふむと思います。
 「ゲルニカ」の言葉を入れてもらいました。史上初の市民相手の無差別攻撃。ピカソが惨状を訴えようと描き、1937年パリ万博のスペイン館の入り口に展示した絵で世界に知られました。「スペインに真の平和と自由が戻るまで、アメリカで保管して欲しい」とピカソが死ぬ前に言い残しましたが、それがスペインに戻ったのは1981年。内戦の傷は結構長かったと。「この絵を描いたのは私(ピカソ)だが、この絵を描かせたのはあんたら(ドイツ兵)だ」(原田マハ著「暗幕のゲルニカ」)

 コマロフ:遠くを見つめたままゆっくりと話し動くので、将校としての威厳・貫禄がありますね。笑みは見せないまでも、セリフは人間味があって、個人的には好感を持って観ています。
 タチアナ:あの冷徹さ、好きです。撃ち合いをも辞さず、そして銃口を向け合う状態であっても、躊躇なく先に引き金を引ける行動力や決断力も。イザベラに対しての発砲シーンも圧巻。軍服はエビータの女兵士のものかと思いましたが、新しく起こしたものなんですね。緑色なので勘違いしました。

 交流会での4年生のお話は興味深かったですぞ。高校生も会場にいらしてましたが、大学生で作るミュージカルの魅力を伝えていました。

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 このレンタル掲示板、文字数制限が2000文字になっているようです。本文7600文字で、「場」で切るようにしたので、5分割で全文が掲載できますが。スレッドトップが左寄りで、以下のぶら下がりスレが段付けになるので、読みやすくはなさそうな。ただ、書き込み順に並んでくれるのは救われています。
 パユ吉個人の感想です。感想のたたき台として使っていただいてかまいません。感じ方は人さまざまです。「違うふうに感じた」「同感」など、感想の書き込みは歓迎します。
ごめん、貼り方間違えた by パユ吉 [ 2018/10/31(Wed) 23:30:36 ]
 返信ボタンを都度押していかなきゃいけなかった。(新スレを立てちゃった)
Re: 続き(4) by なな [ 2018/11/07(Wed) 18:11:37 ]
>パユ吉さま
書き込みありがとうございます。
太田WSにてジョン役を演じました伊藤と申します。
お返事が遅くなりまして申し訳ありません。

たくさんのご感想ありがとうございます。
団員自身も試行錯誤の最中であり、ご意見やご感想をいただけるのは大変嬉しいです。
再演の難しさだとは思いますが、団員も、観てくださる方の中にも9thの舞台がまだまだ生き続けており、固定概念を取り払うのは大変なことだと痛感しております。。。

今週末は前橋WSとなりますので、キャストの違いや太田WSからの進化・深化を楽しみにしていてくださいね♪

ご観劇・書き込みありがとうございました。
今後ともミュージカル劇団アラムニーをよろしくお願いいたします!!
Re: 続き(4) by さえ [ 2018/11/07(Wed) 23:42:48 ]
パユ吉様

コメントありがとうございます!
マーク役を演じました萩原です。
太田WSについて、沢山のご感想ありがとうございます。

今週末は前橋中央公民館でのWSがありますので、
そちらも是非お越し下さい(^^)
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